4割の人は興味がない!?遺言書のアンケートから分かった矛盾
「遺言書」について
40歳代以上の男女1440人にインターネット調査した結果を発表します。
【調査結果】
●「遺言書を残すことを考えたことがない」人は約半数
●「遺言書を残したい相手はいる」が64%
●「遺書に残してほしい内容」は多くの人が遺産などに関する金銭のこと
●約4割の人が「遺言書の相談できる人」がいない
■背景
ちょっとした豆知識ですが、11月15日は「いい遺言の日」
相続の意識を高めてもらおうという趣旨で提唱された記念日です。
日本では「死」について口にすることがはばかられるという考え方があります。しかし、近年「終活」や「エンディングノート」いう言葉が浸透しているように「自身の死」や「家族の死」について生前に考え備えておくことは大切だという風潮へと変化しています。
現代は、スマホやパソコンの普及により個々の情報をオンライン上だけで管理できるので、故人しか知らないデータや財産があることがあります。
また、関東などの都心に一極集中し遠方地に住む親族との関わりが薄れ、いざという時に認識の齟齬がありトラブルにつながることも。
こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、遺言書は故人の最後のメッセージとしてかけがえのない存在になっています。
残されていく配偶者や子供、親族が困らないための遺言書。実際にどれくらいの人が必要だと考え、どんな内容を望んでいるのでしょうか。遺言書に関する意識調査を行った結果発表します。
■半数が「遺言書について考えたことがない」!
「遺言書を残そうと考えたことがある」人は半数いるにも関わらず、40代以上の約半数は「遺言書について考えたことが全くない」と回答。終活やエンディングノートという言葉がこれだけ浸透している世の中でも多くの人は「自分にはまだ関係ない」と認識しているようです。
■考えたことがないのに「遺言書を残したい相手」はいる!?
遺言書を残そうと考えたことがない人は半数であるのに対し、「遺言書を残したい相手がいる」と回答した人は約64%と過半数以上でした。つまり、残したい相手はいるのに具体的に考えていないという矛盾があります。
■いい遺言とは?「手続き上必要な情報」が書かれているもの?
遺言書に書いてほしい内容の1位は「遺産や保険など手続き上必要な情報」で、次いで2位が「遺産相続の割り振りなど」でした。
多くの人が金銭に関する心配や不安を抱えています
日本では「そんなに遺産はないから大丈夫」と思う方も多いようですが、実は遺産が少額でもトラブルは起きています。
近年のIT化で“紙に残らない”デジタル遺産も増えており、デジタル遺産の中にはプラスだけでなく定額課金サービス等のマイナス遺産もあります。
亡くなった後に特に分かりにくいという現代特有の問題から「遺言書には金銭のことを書いてほしい」と願う子供世代が増えているのでしょう。
■遺言書づくりの「相談相手いない」が41.7%
「相談できる人がいない」という回答は全体の41.7%を占めています。
誰に相談をしてよいかわからず不安に思っているため、実際に遺言書作成まで至っていないのかもしれません。
遺言書は自分の死後に大切な家族が困ることのないよう準備するものです。そして死後は自らフォローすることも内容を変えることもできないのです。昨今ではインターネットで簡単に情報を入手することができるようになりましたが、真偽のわからない情報だけではなく、信頼できる人・情報がほしいという心情のあらわれでしょう。