介護で起きている問題について その1
介護虐待
5つに分類することができます。
身体的 精神的 性的 経済的 放置的
※施設では『身体拘束』も虐待に当たるので禁止されています。
ただし緊急性がある場合、自傷などやむを得ない場合は除きます。
虐待に発展しやすい要因とは?
・家族の思いが落胆から苛立ちに変わった時
・被害妄想的な気持ちに陥った時
・家族が他人になってしまう感覚になった時
・知識・理解の不足などによるもの
虐待を防ぐためにできること
「怒らない」「否定しない」介護でやりやすい環境を
家族で協力する体制を作る
介護者の負担を減らす=制度を利用する
周囲が気づいた時には専門機関に相談する
介護鬱
見逃さないで!!介護鬱の初期症状
・ 食欲不振 ・睡眠障害 ・疲労感や倦怠感
・不安感や焦燥感 ・憂鬱感や思考障害
※一般的な見解ですが、上記の症状が1日中見られ、さらに連続して2週間以上続くと、うつ病の可能性が高いです。
症状が進行すると介護や日々の生活そのものに支障を来すため、「もしかしてこれって、、、、うつ病かな、、、?」と思ったら、早めに専門医のところへいきましょう。
●介護うつになりやすい人の特徴
・責任感が強い ・真面目で几帳面 ・完璧主義
●介護うつの原因
・精神的ストレス ・経済的負担
・肉体的負担 ・孤独 ・燃え尽き症候群
介護うつにならないための予防法を知っておきましょう。
原因となる精神的ストレスや身体的疲労を軽減することが重要です。
●「一人でやらなければ」という思い込みをなくす
●自分のストレスを自覚する
●誰かに相談する
=ケアマネは守秘義務があるので、介護自体の相談や、自身の心の相談もしてみましょう。
●介護に関する情報を集める
●介護サービスを利用する
介護離職
介護は突然始まるケースが多く、家族介護者は覚悟や準備もないままに、いきなりこれまでの生活からの変化を強いられます。
家族が要介護状態になったショック、何から手をつければよいのかわからないことからくるパニック、仕事に支障が起こるなど、介護には初めから大きな精神的負担がかかります。
中には勤めていた会社を辞める「介護離職」をする人も少なくありません。
介護が始まれば、身体的・精神的な負担が重なり、「介護疲れ」を感じていきます。近所や地域との交流が薄れ、親族との関係も疎遠になっている現代社会では、家族介護は周囲から孤立しやすくなります。
そして「介護うつ」や「介護放棄」といった危機を迎える可能性があり、介護家族の誰にでも起こり得る危険性があります。
介護離婚
- 1、介護離婚を考えてしまう理由
- 2、例から見る介護離婚にいたった人たちのきっかけ
- 3、親の介護に関する義務と責任
- ・義務
-
民法877条には、直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務があると記されています。
つまりは、血縁ではない嫁は介護の義務は法律としては認めていないのです。また、家庭裁判所では、特別な事情がある場合には、三親等の親族間においても、扶養の義務を負わせることができるとなっています。
やはり、義理の両親を介護する義務は何一つありません。ただ、民法752条には、夫婦は同居し、互いに扶助しなければならないと記しています。
つまりは、夫が両親の介護ができない場合には、夫を助ける義務はあるというわけです。 -
もっとも、あくまでも両親の介護の主体は夫になります。
※しかし、義理の親と同居している場合は一定の義務を負います。
すなわち、民法730条は直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならないと定められていることから、扶助の義務が生じます。 -
そうだとすれば、義理の親に介護の必要がある場合、介護の責任を負うべきであるといえるケースもあるでしょう。
- ・責任
上記の義務を負わなかった場合の責任はどうなるのでか?
刑法218条によると、
『老年者、幼年者、身体障害者または病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又は、その生存に必要な保護をしなかったときは、3ヶ月以上5年以下の懲役に処する』とあります。
もっとも、刑法218条が適用されるかは、加害者被害者双方の状況によって大きく異なり、ケースバイケースです。
実際に保護責任者遺棄致死といえるようなケースは少ないでしょう。
- 4、介護を理由に離婚できるケースとできないケース
- 配偶者に不貞な行為があったとき
- 配偶者から悪意の遺棄にあったとき
- 配偶者の生死が3年以上明らかではないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
・離婚できないケース
一般的にも入れることですが、離婚は相当なことがない限りできません。
介護問題においても、離婚はスムーズにはいきません。
ダブルケア
内閣府の調査によると、ダブルケアをする人が全国で少なくとも25万3千人(女性16万8千人、男性8万5千人)の方がいます。
背景としては女性の社会進出などによる晩婚化と出産年齢の高齢化が挙げられます。その結果、同時期に介護と育児の両方に直面するという「ダブルケア」の問題が生じてきています。
また、少子化により兄弟姉妹も少なく、親戚との関係も薄れている状況から、介護の分担ができず1人で抱え込むケースも増えてきます。
団塊の世代全員が75歳以上になる2025年以降には、団塊ジュニアと呼ばれる世代にダブルケアが襲いかかり、ダブルケア経験者は大きなボリュームとなってくるでしょう。
もう1つ大切な事前準備は「家族や親戚との話し合い」です。話しづらいテーマですが、それぞれの家庭の状況も踏まえての話し合いが必要です。
全員が納得する方向性を見つけるには回数も時間も要しますので、早いうちから話し合いの場を設けておきましょう。
※地域によっては、行政のサポートなどを受けることが出来ますので早めに相談にいきましょう。
- 兄弟姉妹や親戚の家族状況の把握(誰がダブルケアとなるか)
- ダブルケアになった時の役割分担(主介護者は誰か)
- 介護の方向性(在宅か施設か)
- 介護にかかる費用について(親の資産をいくら使うか、経済援助の分担)
残りは後編の記事で書きます
親の介護が70歳で始まると考えると、子供は40〜50歳