介護で起きている問題について その2
前回の記事はこちら
では続きを書いていきます。
老老介護・認認介護
65歳以上の要介護高齢者がいる世帯の54.7%が主介護者も65歳以上であり、いわゆる老老介護であることを示しています。
認知症は身近な問題!? 増加するMCI(軽度認知障害)
認知症と健常者の境界線にいるMCI(軽度認知障害)である人は65歳以上の高齢者(3079万人)の13%(約400万人)というデータがあり、認知症と診断された15%(約462万人)と合わせると3.6人に1人の割合で何かしらの認知障害があります。
この数字を多いと見るか少ないと見るか、、、
老老介護のリスク
共倒れ
- 介護する側が高齢のため、体力的かつ精神的な負担によって倒れやすい
- 介護する人がいなくなる
介護にかかる時間の増加
- 介護する側の体力消耗や動作そのものが遅いために介護に時間がかかる
- 介護される側の負担も大きくなる
- 介護度が重くなるほど、お互いの負担が加重される
介護者の社会的接点の減少、閉じこもり
- 外出ができなくなり、社会とのつながりが希薄になる
- 運動量が少なくなり、筋力が低下し、身体能力が衰える
- 体力的にも時間的にも趣味などをする余裕がなくなる
- 体力的精神的負担と外部からの刺激がないことなどから、鬱状態や認知症になる
認認介護のリスク
服薬管理ができない
- 「薬を飲んだ」という行為を忘れてしまい、飲み忘れや飲みすぎになり体調を崩す
- 場合によっては命に関わる事態に陥ることもある
食事管理、栄養管理ができない
- 好きなものばかりを用意するなどで栄養に偏りが出る
- 満腹感が鈍くなることで食べたことを忘れて過食になる
- 空腹感が鈍くなることで食べることを忘れて低栄養になる
体調管理ができない
- 寒暖の感覚が鈍くなり、温度調節ができず熱中症になる
- のどの渇きがわからず、適切な水分摂取ができず脱水症状を起こす
- 身体の不調を説明できない
- 身体の不調に対して適切な処置ができない
お金の管理ができない
- お金をおろしすぎて引き落としができなくなった
- キャッシュカードの暗証番号がわからず生活費をおろせない
- 銀行に入金できない
- お金がないにもかかわらず高額のものを購入してしまう
緊急事態の対応ができない
- 緊急事態が起こった時の連絡先がわからなくなる
- 緊急事態が起こっていることに気づかない
火の不始末
- 火をつけっぱなしにして鍋を焦がす
- 最悪の場合、火事を起こしてしまう
※チェックリスト
- 心身共に疲れている様子が見受けられないか
- 自宅で引きこもりになっていないか
- 話に辻褄の合わないおかしい部分はないか(朝や昼は大丈夫ですが、夜になるにつれ話が噛み合わなくなってきます)
- 家事の状況に変化はあるか(きれい好きだったのに掃除が行き届いてない。料理が好きだったのに出来合いの総菜ばかりが並んでいる。など)
- 金銭管理はできているか
- 服薬管理はできているか
- 食品など同じものばかりが過剰にストックされていないか
※いまのところ老老介護、認認介護への行政サポートはありません。
ですので上記のチェックリストで少しでも不安がある方は、早急に地域包括支援センターや介護付き老人ホームまたは終活ガイドにご相談ください。
専門的なことを相談できる相手を探す
①プロの介護者や介護経験のある友人などのような相談相手を作る
ケアマネジャーには守秘義務がありますので、最も身近な相談相手になり得ます。また、同じ悩みを抱える「介護家族の会」などに参加するのもよい方法です。
②老人ホームなどの介護施設に入居して要介護者が落ち着くケースもある
負担の軽減をしても、介護者が疲れ切ってしまうようなら負担を抱え込まず、要介護者の介護施設入居を検討しましょう。
要介護者と介護者の双方が安心した暮らしができることが一番大切なことです、広い視点で考えるようにしましょう。
※在宅介護を問題なく行っている間に、介護サービスのひとつとして介護施設を調べておくようにするとよいと思います。